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[日販商品データベースより]
【序より】(抜粋)
二〇二七年三月をもって早稲田大学を定年退職する編者の発意による論文集である。一九七五年四月に早稲田大学第一文学部に入学してこのかた、恥ずかしながら編者は、学校法人早稲田大学の外へ一歩たりとも出たことがない。学部卒業後は大学院文学研究科へ進学し、副手・助手を勤めながら博士課程後期を二年で中途退学、高等学院の教諭となった。一九九三年四月に大学へ呼び戻され、専任講師・助教授・教授と昇任、教員組織が改変され文学学術院の所属となった。
この間、学部・大学院の教育に当たったが、課程による・よらない博士論文の審査に従事するとともに、さまざまな出自をもつ大学院生の研究指導を担当した。そうした中で、博士論文の主査を務めた人、名目上ではなく実質的に研究指導を担当した人を中心に寄稿を願い、論文集を編纂・刊行することに想到した。
編者は卒業論文に「藤原定家論」、修士論文に「藤原定家歌集の研究」を書いた。後者は『拾遺愚草』の補遺篇『員外雑歌』の伝本研究を中心としたものであった。そして、専門分野は私家集研究であるとの自覚を持ち、担当の講義や演習を展開してきた。その影響も与かってか、指導した人々には私家集を研究対象とする者が輩出する。そこで、論文集のテーマを私家集研究に絞った。……「愉悦」という言葉は、編者の教育上のキーワードであり、学生に対し常日頃、古人は何が面白くてこんな歌を詠んだのだろう、こんな歌集を編集したのだろうと問い掛けてきた。「私家集研究の愉悦」と題したゆえんである。そして、中古から明治期にいたる私家集作品を取り扱う論文集を、ここに刊行することができた。
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